<食品衛生>規格基準の適合性は、製造プロセスを管理することで保証される

食品衛生法には、残留農薬、カビ毒、微生物など多くの規格基準が定められている。これらの規格基準への適合性をすべての食品で検査で確認することは不可能である。従って、食品企業は、使用する原料や包装材料の採用や受入れ、製造する工程の衛生管理や製造管理、スタッフの教育訓練などきちんとすることで、製造する食品の規格基準への適合性を保証している。そして、一部を抜き取って検査することで、それぞれの活動が適正に行われていることが検証できることになる。

しかしながら、一部の消費者や流通業者は、保証活動の内容確認もしないで、検査結果のみで安全であると感じて、安心してしまう。食品企業にとってみれば、お客様の要望なので、無駄な検査と思いながら黙々と検査しているところもあるのではないかと推測する。

数年前になるが、ある北海道のお肉企業の不祥事のときに、「食品衛生法で定められている検査が行われていない。」と新聞記事に記載され、毎日検査していないことが悪いかのように記載されていた。そこで、「食品衛生法では検査の頻度まで要求してはいない。」ので、記者に抗議メールをお送りしたことがある。回答は、「食品衛生法、道条例で検査することを定めており、実質的に義務づけている」ということであった。

極端にいうと、すべての食品を検査すると、結局食べられる食品はなくなってしまいますよね(すべて検査されるのだから)。